パッシブトーンペダル LTV-30T

今回の製品はかなりマニアックです。ペダルでトーンをコントロールする、"LTV-30T"が発表されました。

当初、一般販売の予定は無かったのですが、一部の方、一部の楽器店様よりご要望いただき、受注生産という形で製作させていただくこととなりました。

このトーンペダル、プロベーシストである中尾憲太郎さんからのご依頼を受け、製作した製品となります。
遡ること1年、2017年の冬頃、ボリュームペダルを納品させていただいた後に、憲太郎さんから「足でトーンコントロールとかやってみたいんだよねぇ」というコメントをいただきました。その時は僕も「それ、やってみたら面白いかもですね!!」とお返事させていただいたのですが、その時はそこまででした。

それから半年以上経った2018年の10月、憲太郎さんより「やっぱりトーンペダル、やってみたい」とのご連絡を改めていただき、「そういうことでしたら是非やってみましょう!」ということで、製作に入りました。


パッシブのトーンペダルで、回路はパッシブギターやパッシブベースのトーン回路と同じです。ペダルをかかと側に倒すと、コンデンサを経由して信号がグランドにも流れていき、高域から減衰していきます。


ギター、ベースと同様、どのような種類のコンデンサを使用して、どの値のコンデンサを付けるかという部分が最も音に影響します。ですので、線材やハンダの選定に加えて、コンデンサの選定はかなり慎重に行いました。

最後は中尾さんとスタジオに入り、コンデンサを繋ぎかえながら、アンプ、ラインでサウンドチェックを行い、コンデンサを選定しました。

最後、とあるビンテージのコンデンサと現行のコンデンサで、かなり中尾さん迷われていましたが、フランス製の現行のコンデンサに決まりました。
何とそのコンデンサ、僕が事前に選定作業を行った際、最後に行き着いたものと全く同じものだったので、とても驚きました。
あっさり過ぎず、深過ぎず、そして何よりも、通した音も絞った時の音も音楽的で聴き心地の良いサウンドであるというのが、一番のポイントかと思います。
選定後の一コマ。


続いて、製品仕様についてご説明します。

まずこのペダルはパッシブ回路ですので、ハイインピーダンス仕様(ハイインピーダンス専用)となります。ハイインピーダンスの信号を受けて、ハイインピーダンス信号のまま出力します。
ですので必ず楽器の直後に繋いでいただく、という感じになります。
中尾憲太郎さんのボード。楽器の直後にLTV-30Tを接続。


ローインピーダンス信号のところに接続すると、ペダルを動かしてもほとんど変わらない、または全く変わらないという感じになりますので、アクティブ楽器やワイヤレスの後、バッファ経由後やエフェクターの後には接続できません。
あくまで楽器の一部という感じになります。

また、接続すると少しハイがとれた、ややマイルドなサウンドになります。
これは、パッシブのトーン回路は、通すとハイが少し落ちるという仕様であるためです。(楽器のトーン回路をバイパスすると、逆にやや耳に痛い味気ないサウンドに変化します。)

ですので、正直申し上げますと、ギターに常時接続するにはあまり向いていないように思います。ギターらしいハイのキラッとした部分が少し減ってしまうためです。
ベースでも、ブリッとしたエッジの効いたサウンドが好きなんだ!という方や、ハイファイサウンドが好みだという方には向いていません。
(ここはしっかりとお伝えしておきたい部分です。)

ただ、ハイが出過ぎるギター、例えばトーン回路が効かないストラトのリアPUや、ここまでハイが出てなくてもいいんだけど、という方などには、通すだけでちょうどよい落ち着いたサウンドにしてくれます。アンプのEQなどでは落とせない部分をうまく落としてくれると思います。

ペダルを動かすと、トーンが絞られていくため、若干音量も下がります。また、徐々にハイカットされていくので、目立つ周波数帯も変化していきます。
これを演奏しながら変化させるというとは、今までに無い感覚で、トレモロのような、ワウのような、そのどちらでもないような、そんな演出をしてくれます!

ベースソロなんかで使うと「えっ?!それどうやってるの?」というようなエモーショナルなアプローチが可能になるように思います!ペダルを踵側に踏み込んだサウンド(トーンを絞り切ったサウンド)も、非常に使える、心地よいサウンドになるよう設定しておりますので、この使い方はおすすめというか、正直、面白いと思います!


ハイ落ちが気になる場合は、パッシブのループボックスのループ内に入れてあげて、普段はバイパスさせるか、またはノンバッファーのスイッチャーの先頭のループの中に入れてしまっても良いかもしれません。

中尾憲太郎さんは、ベース本体のトーンをタップスイッチ付きに変更され、ここでベース本体のボリュームとトーン回路をまとめてバイパスできるようにされています。


本製品、万人うけする製品ではないですが、とても面白い製品だと思いますので、興味のある方、ご興味をお持ちの楽器店様は、Webサイトの問い合わせフォーム、Twitterのメッセージ、またはメールにてご連絡ください。受注生産にて対応させていただきます。価格は17,000円(税別)、納期は2週間〜1ヶ月程度です。(Webストアには並んでおりません。)


トーンペダルってなかなか無いですよね。憲太郎さんにも喜んでいただけたので、本当に良かったです。